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パリ・オペラ座 'Balanchine/Noureev/Forsythe' + ロモリのアデュー

パリ・オペラ座 \'Balanchine/Noureev/Forsythe\' + ロモリのアデュー_f0149362_740893.jpg正直なところこの3演目の公演にも若干飽きてきたのですが、、、今夜はウィルフリード・ロモリの引退公演。本公演の方でバランシンを踊ったロモリは最後に、特別演目Un Trait d’unionを踊ってくれました。カーテンコールではダンサー達もみんな舞台に出てきて彼に拍手を。この役はロモリでなきゃ!という役をオペラ座でたくさん踊ってきたエトワールの最後の舞台は華やかに幕を閉じました。



@Opéra Bastille, 2ème Balcon P 2 33

Les Quatre Tempéraments(四つの気質)
音楽: Paul Hindemith / 振付: George Balanchine

第1テーマ: Eleonora Abbagnato, Bruno Bouché
第2テーマ: Myriam Ould-Braham, Simon Valastro
第3テーマ: Sarah kora Dayanova, Grégory Dominiak
憂鬱質(メランコリック): Mathias Heymann
多血質(楽天的): Dorothée Gilbert, Alessio Carbone
粘液質(冷静・知的): Wilfried Romoli
胆汁質(短気・怒りっぽい): Emilie Cozette

マティアスのメランコリックが観られて満足。ロモリはいつもどおり、存在感と重力のあるしっかりした踊りを見せてくれました。途中で足元が滑って転んでしまったのには驚いたけれど。あぁ!最後の舞台なのに…と観ている方がひやひやしてしまった。

最初はさっぱり良さのわからなかったこの演目、回数を重ねるうちにだんだん慣れてきて、特に苦手意識もなく観られるようになりました。ここに来てやっと面白さがわかってきたかも??


Raymonda - extraits(「ライモンダ」より抜粋)
音楽: Alexandre Golazounov / 振付: Rudolf Noureev d'après Marius Petipa

1. 第3幕 チャルダッシュの踊り
2. 第3幕 グラン・パ・クラシック(ハンガリー)
3. 第1幕 ベルナールとベランジェのデュオ
4. 第3幕 アンリエットのヴァリアシオン
5. 第3幕 パ・ド・カトル
6. 第3幕 クレメンスのヴァリアシオン
7. 第3幕 ジャン・ド・ブリエンヌのヴァリアシオン
8. 第3幕 ライモンダのヴァリアシオン
9. 第3幕 コーダ

ライモンダ: Isabelle Ciaravola
ジャン・ド・ブリエンヌ: Christophe Duquenne
アンリエット: Mathilde Froustey
クレメンス: Eve Grinsztajn
ベルナール: Florian Magnenet
ベランジェ: Fabien Révillion
チャルダッシュ: Vanessa Legassy, Alexis Renaud
パ・ド・カトル:Bertrand Bélem, Simon Valastro, Adrien Bodet, Allister Madin
クレメンスのVの2人: Marie-Solène Boulet, Laura Hecquet

イザベル・シアラヴォラのライモンダは私にはイマイチでしたが(高貴さが感じられない…)、観客にはずいぶんと受けていました。私としてはクリストフ・デュケンヌの安定した踊りに感銘を受けたのだけれど。あとアンリエットを踊ったマチルドが大歓声を受けていました。確かに高い技術力できちっと踊りこなしていたのには感心。個人的にはあまり好みのダンサーではないのですが。。。それからクレメンスのV、イヴが非常に薄い印象しか残らなかったのに対して、後ろで踊ったローラ・エケが瑞々しく伸びやかな踊りで目を惹きました。


Artifact Suite(アーティファクト組曲)
音楽: Johann Sebastian Bach (Chaconne) → Eva Crossman-Hecht (Artifact Suite) / 振付: William Forsythe

第1組: Delphine Moussin, Karl Paquette
第2組: Mélanie Hurel, Simon Valastro

デルフィヌがコンテンポラリーを踊るのは初めて観たかも。いつでも優美なラインを描くダンサーだなー。回数を重ねて観るにつれて違和感がなくなったバランシンに対して、最初からとても感銘を受けたこの演目は逆にもうお腹いっぱいな気分。特に後半の中盤あたりで中だるみ状態に。当分はもう観なくていいかなーという気持ちです。


Un Trait d’union(アン トレドュニオン)
音楽: Johann Sebastian Bach / 振付: Angelin Preljocaj

Wilfried Romoli, Laurent Hilaire

Trait d’union とはハイフン( - ) を示すフランス語です。2つのものを結びつけるもの。舞台には茶色いソファと白いスチール椅子が1つずつ。中年の男が2人じゃれあっています。仲良くしたり喧嘩したり仲直りしたり。引退公演でこういう演目を踊れるのっていいなーと思いながら観ていました。一緒に踊れる人(イレール)がいるのもいいし、まさにロモリっぽい演目で。

イレールと2人で拍手を受けた後、1人残ったロモリの上からキラキラの紙吹雪が舞い降りてきて、ルフェーブル女史やモルティエ芸術監督、ダンサー達も舞台に出て、全員でロモリに感謝と祝福の拍手を捧げました。ルグリが舞台袖から走って出てきて、ロモリに子供みたいにぴょんっと飛びついていました(笑)。黒のスーツに赤いスニーカーを履いたニコラとはがっしり抱き合って、カデール・ベラルビと大人な握手を交わして。ロモリは感極まってちょっとだけ泣いていましたね。観客もいつまでも拍手とブラボーを送って、とても感動的なアデューでした。

ウィルフリード・ロモリというダンサーは、オペラ座の中ですごーく目立つ存在というわけではなかったけれど、いつでも彼じゃなきゃ踊れない役をがっしりとつかんで観客を魅了してきたダンサーというイメージです。彼がオペラ座でもう踊らないことの欠乏感は、これからちょっとずつ染み込んでくる気がします。これからどうするんだろう?なんらかの形で踊り続けてくれるといいな。
by mariko_fr | 2008-05-06 23:08 | バレエ・観劇・イベント
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